ギリシア祖語(英: Proto-Greek)、またはヘレニック祖語(英: Proto-Hellenic)は、インド・ヨーロッパ語族に属する言語であり、ミュケーナイ語、それに続く古代ギリシア語諸方言(つまり、アッティカ方言・イオニア方言・アイオリス方言・ドーリス方言・古代マケドニア方言・アルカディア=キプロス方言)、最終的にはコイネー・ギリシア語、中世ギリシア語、現代ギリシア語に連なる、古代から現在にかけて知られている全てのギリシア諸語の祖先である。ギリシア祖語の時代は、ミュケーナイ語の前身を話していたヘレニック人の移民が青銅器時代のある時期にギリシア半島(Greek peninsula)に入ったことによって終わりをつげたと考えられている。

起源

ギリシア祖語は当初はインド・ヨーロッパ語の方言であった。新石器時代後期に、後にギリシア祖語に変化するこの方言の話者は黒海の北西部にあった故地からバルカン半島に至り、ギリシア半島に入った。ギリシア祖語への変化は、個別の言語の正確な境界を引くことを困難にする早期の古バルカン言語連合(Paleo-Balkan sprachbund)の環境の下で考えられるかもしれない。また祖語における語頭の喉音が母音挿入によって実現されるというギリシア語に特徴的な変化を一例として、いくつかの音韻・形態論的特徴をアルメニア語派とギリシア語は共有している。これから、証拠は余り残っていないが、一部の言語学者は仮説的にヘレニック語派とアルメニア語派のあいだの類縁関係が近い (Graeco-Armenian) ことを提案している。

ギリシア祖語はほとんど早期ヘラディック期(後期前4000年紀、およそ紀元前3200年頃)から南ヨーロッパの新石器時代の終わりに向けて話されていた。Russel GrayとQuentin Atkinsonは2003年の論文で、スワデシュ・リストから計算言語学的な方法で、ギリシア・アルメニア語もしくはギリシア・アーリア語の分裂に紀元前5000年ごろ、ギリシア語とアルメニア語が分岐した言語系統になったのは紀元前4000年ごろという風に、もう少し早い時代を推定している。

音韻

ギリシア祖語は次に記す音素で構成されていたと考えられている:

脚註

出典

参考文献

  • Beekes, Robert Stephen Paul (1995). Comparative Indo-European Linguistics. Amsterdam: John Benjamins. ISBN 90-272-2150-2. https://books.google.com/books?id=wFVwAAAAIAAJ 

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